輝く女性~ロールモデルのご紹介~

今回ご紹介するロールモデル

吉野電化工業株式会社 研究開発部 主任 福田さん
 吉野電化工業株式会社は、さまざまな素材にめっき加工を行う会社です。めっきの技術は、自動車部品やパソコン、スマートフォン、時計など身近な製品にも多く活用されています。
 革新的で将来性のある優れた技術・製品開発に取り組む企業を表彰する「第3回渋沢栄一ビジネス大賞」では、テクノロジー部門 奨励賞を受賞しています。
 今回は、積極的に技術開発に挑戦している同社で活躍する女性に、インタビューを行いました。

coment_img

お仕事の内容を教えてください。

sec_img01

 研究開発部では、めっき液・めっき技術の研究開発や外部の企業からの試作を行っています。その中で現在は主に『黒色めっき』のテーマを担当し検討を行っています。
 研究室で検討を行う他に、お客様と打ち合わせに出席し、どのような目的のめっきを希望されているのか、お話を伺うことも大切な仕事です。
 黒色めっきというのは、その名前の通り黒いめっき膜です。一般的なめっき膜というと金色や銀色、銅色等でキラキラとした光沢のあるものがイメージされると思いますが、黒いめっき膜とすることで光の反射を少なくすることができます。めっきの外観も反射のほとんどないマットなもの(漆黒調)から光沢のあるものまで調整することができ、漆黒調の黒色めっき膜は光学製品(カメラ、スマートフォン等)の反射防止目的、光沢のある黒色めっき膜は装飾品等への適用をターゲットとして検討を進めています。

 1日のスケジュールは日によって違いますが、実験がメインの日は、まずめっき液を実験が可能な温度に温めたり、めっきする素材の状態を観察したりし、実験の準備を行います。実験が可能な状態になったら、実際にめっきを付けたり、めっきしたものを観察・分析したりし、検討を行います。
 検討は、論文や書籍、過去の検討の記録を調べたりして、計画を立ててから取り組みます。実験は試行錯誤の連続で、計画どおりにいかないことも多くあります。うまくめっきができない場合には、観察・分析の結果や論文や書籍で調べた結果から原因として考えられる条件を変えたり、周囲の方にアドバイスをもらったりし、うまくめっきができる条件を探していきます。うまく付かないこともありますが、その一つ一つが自分にとって勉強になります。苦労してめっきがうまく付いた時は、その分大きな達成感を感じます。

 当社では年に数回、展示会に出展しています。ブースを設け、そこで当社の技術の説明をします。展示会では、女性研究員だと親近感がわくためか、説明の機会を与えていただくことがあります。女性研究員でめっきについてのリーフレットを作ったところ、「見やすくなった」と好評でした。そのような女性ならではの特性が生かせる機会は積極的に活用して、経験を積んでいくことが大切だと思います。
 また、当社では地域貢献として、子供向けの出前実験もしています。金めっきによるアクセサリー作りなどを行い、子どもの理科離れを防ぐことを目的としています。子どもの感性の豊かさにこちらが驚かされることもあり、大変有意義な取組だと感じています。

 

この会社に就職したきっかけは何ですか?

 当社に入社したのは、一人一人にテーマを任せてもらえて、自由に研究させてもらえる当社の研究姿勢に魅かれたからです。
 そもそも理科に興味を持ったのは、中学校の時の先生の影響です。女性の先生で、とても説明が分かりやすく、授業以外でも質問に行きやすい先生でした。おかげで理解が深まり、理科がそれまでよりも好きになりました。そして、高校で理系コースを選択し、大学も理系に進もうと考えました。喘息で苦しむ母を見て小さい頃に「空気をきれいにして、こんな風に苦しむ人を減らしたい」と思ったことを思い出し、環境系に興味を持ち志望しました。
 大学では土壌汚染の浄化について研究を行っていたので、めっきは深く関わりのある分野ではなかったのですが、大学・大学院での3年間よりも入社してから働く期間の方が長く、また基礎となる化学の分野は同じなので、大学での研究内容に縛られる必要はないと考え、就職の際にためらいはありませんでした。

 

お仕事をされる上で大変だと思うことや良かったと思うことは何ですか。

 大変だと思うのは、検討がうまくいかない時です。そういうときは、おいしいものを食べたり、自然に触れてリフレッシュしています。
 良かったと思うのは、めっきが上手くいった時です。自分の組み立てた考えどおりに行ったときは嬉しく思います。
 ただ、失敗が一度もなく、うまくめっきができてしまうと、かえって不安になります。もしも不具合が起こってしまった時に、データの蓄積が少なく、改善の方法がすぐには見つけられないことがあるからです。ですから、失敗した場合でもその方法がダメだったと分かったことが収穫であり、それを生かすことが重要だと考えています。
 仕事では、自分で考えることをやめないということを心掛けています。人に聞くことは簡単ですし、もちろん大事なことですが、自分の頭で考えて答えを導き出すことを大切にしています。

 

キャリアアップや今後の目標について、どのように考えていますか。

sec_img04

 キャリアアップは特に意識したことはないのですが、自分自身のスキルアップをしていきたいと考えています。具体的には、色々な素材やめっきの種類に対応できるように実験や分析の技術を身につけていきたいと思います。そして、難易度に応じて後輩に仕事を任せることで、後輩を育てていきたいです。その結果がキャリアアップにつながるのはないかと思います。

今後は、現在担当しているテーマの技術が、実際の製品に適用できるよう技術開発を続けたいと考えています。それは、当社の技術が多くの会社に認められることであり、研究を重ねてきた先輩たちの蓄積した成果が報われることになると思います。そうすることで、さらにモチベーションも上がると思います。

 

気分転換する方法は?

sec_img08

  家でのんびり過ごす時は、読書やビーズ手芸をしています。昔から手先を動かすことが好きで、ビーズでグラスコードや携帯のストラップ、髪留めを作ったりします。
 また、フルーツ狩りや温泉、きれいな景色を見に行ったりしてリフレッシュをします。特に水辺が好きで湖や滝を見に行くこともあります。

 

 

最後に、同年代の働く女性たちへ、また後輩の女性たちへ一言お願いします。

 働くこと、家庭に入ることはいずれも選択肢の一つであって、家庭を守るために家庭に入ることも立派な仕事だと思います。働き続ける環境がないから家庭に入るとか、あるいは働かざるを得ないから働くという消去法ではなく、女性が働き続けたいと思った時に、働き続けることが選べる社会であり続けてほしいと思います。

 

会社紹介

吉野電化工業株式会社

所在地
〒342-0008 埼玉県吉川市旭1-2
社員数
全体224名(男性155名、女性69名)
業種
製造業
事業内容
金属製品製造業
URL
http://www.yoshinodenka.com/

このページの上へ

吉野電化工業株式会社 研究開発部 主任<br>福田さん

  • 輝く女性~ロールモデルのご紹介~
  • がんばる女性を応援します!
  • 埼玉県働く女性応援メンター~埼玉県メンター制度~
  • ウーマノミクス図書館
  • 働きたい
  • まなびたい
  • キャリアアップしたい
  • 女性の力で企業を元気に!~ウーマノミクスシンポジウム~
  • 埼玉県
  • 女性キャリアセンター