輝く女性起業家~ロールモデルのご紹介~

今回ご紹介するロールモデル

ヘルシーカフェ「のら」(合同会社のら) 代表 新井さん
ヘルシーカフェ「のら」(合同会社のら)は、食材&生活雑貨販売・食堂・広場の3つの機能をもった新しいスタイルのコミュニティカフェ。地元産の野菜を使ったおいしい料理などを提供・販売しています。
 特徴的なのは、お店の奥にある16畳の広場。そこは、地域の子育て中のママたちが気軽に集まれる場となっていて、地域の子育て中の女性などが様々なサロンやセミナーを提供しています。
 老若男女問わずたくさんの地域の人が集い、お互いが助け合い、個々の能力も発揮できる場となっている「のら」は、本当に居心地の良い場所です。
 今回は、地域にすばらしい場を提供してくださっている「のら」代表の新井さんにインタビューをしてきました。

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新井さんの経歴を教えてください。

 大学卒業後、就職しましたが、出産を機に仕事と両立できる環境になかったので退職しました。何事にも一生懸命に取り組んできた自分にとって、仕事を辞めていればなおのこと、子育ては当然ひとりでできると思っていました。
 ところがそれは大きな間違いでした。ひとりで子育てすることはとても大変。お母さんになったとたん、お母さん役を期待されることの辛さ。母親としての自分を誰からも認めてもらえず、悶々とした日々を過ごしていました。
 そんな折、2人目を産んで直ぐくらいに、たまたま公民館の子育てセミナーに参加しました。
 そこで自分のありのままを認めてくださる講師に出会い、こういう世界もあったんだ!と公民館に通うようになりました。公民館に通うことを通じて、自分を発見し、自分の課題などもよく見えるようになったと思います。
 夫が転勤族でしたので、夫とともに数年で転居を繰り返していたのですが、次の転勤先で、公民館で働くようになり、ますます公民館の活動にのめりこんでいきました。
 その次の転勤先はパプアニューギニアでした。そこでは、世の中には本当に多種多様な価値観があること、どこの国の人も一緒だなぁ、という共通点があることを実感して帰ってきました。
 その後日本に帰ってきて住んだのが埼玉でした。その頃埼玉県では、「男女共同参画」が声高に叫ばれていました。「埼玉ってすごい!」と思いました。が、そのうち現実と理想のギャップに気が付き始めました。子育て中の女性はやはり孤独。高齢者の支援と違って、地域からの支援も少ない。夫に子育てや家事を期待することをあきらめてしまっている女性もたくさんいると感じました。
 子育て中の女性の助けになるような市民活動をしたい!と強く思いましたが、公民館では知識を得るだけで、その知識を生かす場がない。埼玉県男女共同参画推進センターから調査研究の助成金を得て、調査研究を実施し、出産や子育てを期に一度退職したが、また働きたいと思っている女性などを対象とした学習プログラムも考えたが実施するお金がない。
 そのような状況で、「あなたたちがやっているのは地域福祉。地域福祉の企画に応募したらどうか」とさいたま市役所の方から声がかかりました。
 さっそくその企画に応募したところ採用され、子育てしている女性を対象としたワークショップを始めました。ワークショップは、無料ではなかったのですが、「ランチを1回我慢して、ワークショップに参加しよう!」と声をかけたところ、たくさんの女性が参加してくれました。
 現在では、私のほかにも様々な人たちが、女性支援のワークショップを「広場のら」で開催してくれています。私自身は、「のら」以外でのワークショップにも力を入れるようになりました。
 また、学習会に参加したり、話し合いをしたり、ワークショップ後には打ち上げと称して、様々な食事処で食事をしました。
 でも自分たちがお金を落としたいと思えるお店がなかなかなく、最終的に、現在「のら」の厨房で働いてくださっている方の家で打ち上げすることがほとんどになりました。その方の手料理は本当においしいからです。
 このような経験を通じて、地域の方々が交流できるコミュニティカフェこそ必要なのではないかと考えるようになりました。
 同時期に、「ちお」という育児雑誌で、「これじゃ産めない、育たない 子育て改革懸賞レポート」を募集しているのを発見。「「コミレス※」は子育て支援の要」という題で応募してみたところ、なんと大賞をいただくことに。賞の授与式の際に、審査員の方から「構想だけでなく、実現して初めてレポートの意味がある」との言葉をもらいました。
 そのとおりだ!と思い、その構想の実現に向けて動き出しました。
 まずは知り合いに片っ端から、「コミュニティカフェをやりたいのだけどどう思う?」と声をかけました。声をかけたひとりが、「のら」の大家である小峰さんです。小峰さんに、「ちお」に掲載された私の論文を見てもらったところ、その趣旨にとても理解をしてくださり、実家の庭にコミュニティカフェを作ることになりました。小峰さんにはいくら感謝しても足りないくらいです。
 こんな風に様々な方々のご協力のおかげで、2009年に「のら」を開業することができました。

※コミレス=コミュニティ・レストランの略。

 

起業する上で大変だったことは何ですか?

 「のら」の開業までに時間がかかった分、起業したあとは、それまでに知り合ったたくさんの方々に支えられてここまできました。
 起業する前には、あちこちに声をかけ、趣旨に賛同してもらう・・・という活動を地道に続けました。趣旨に賛同してくださった方が、今も強力な協力者になってくださっています。「お客さん」として来てくださったり、「広場のら」でセミナーなどを主催してくれたり。本当にありがたいです。
 「のら」の内装も、壁などについては「のら」の仲間が50人くらい集まって塗ってくれました。おかげでとても味のある内装になりました。(笑)
 ただ、私の起業は、「市民活動的」なので、どうしても法人としての運営の視点が弱くなりがちな部分があります。「のら」は合同会社として法人化したのですが、メンバーからは、きちんと会社が存続できるよう、利益も出していかないとだめだと言われてしまいます。(笑)
 メンバーからの貴重な助言があるからこそ「のら」が継続できているとも思っています。

 

「広場のら」について、もう少し教えてください。

 「広場のら」は、子育て中のママたちからの気軽に集まれる場がほしい!という声を受けてつくった16畳の畳フローリングの広場です。
 畳靴を脱いだ板張りの床の上で気兼ねなく子どもと遊べる食堂などはあまりなく、子育て中のママたちに非常に好評です。
 広場では様々なワークショップが開催され、赤ちゃん連れの母親、父親も気軽に参加できるようになっています。
 例えば一昨年実施した「mmカフェ」。マタニティとママたちが集まったハッピーサークルです。実際に赤ちゃんが生まれてみないとわからないことや大変さなどをママたち、妊娠中のママたちで共有しました。
 広場としての活動ではないですが、地域とよりつながることを目指し、「のら」の所在地の地名をとった新聞「しかてぶくろ新聞」を大家さんの実家で展開している100歳までの仕事づくりラボ(ババラボ)とともに発行し、地域の情報を発信しています。

 

今後はどうして行きたいですか?

 地域のコミュニティカフェとして、多くの人たちの居場所づくりにつながればと思っています。子育て中の方が孤立することなく誰かとつながれる場であり、高齢者の方も気軽に訪れることができる場、何か新しいことにチャレンジしたい方を応援する場であり続けたいです。
 社会の大人のひとりとして社会に貢献していきたい。人の役に立とうと思い、みんなが地域で活動できる環境が理想です。あちこちの地域でそういった活動の支援もしていければと考えています。
 私は子育てを終え、幸い子どもたちは私がなってほしいと思う大人になってくれました。自分たちが自分のネットワークを作り、自立できています。
 夫は私の仕事を理解してくれています。最近は、事後報告が多いのですが(笑)、嫌な顔せず送り出してくれ、家事分担、特に洗濯などは洗う、干す、畳むまで完璧にしてくれます。
 家族の理解のおかげで、私は現在の活動に打ち込むことができています。
 私は女性の味方、女性の協力者であり続けたいです。

 

育児中の女性や、自分も社会に貢献したい・地域とつながりたいと思っている女性へのメッセージをお願いします!

 子育て中の女性は、子どものためだけに時間を使うのではなく、どんどん外にでて自分の時間も満喫してほしい。映画を見たり旅行をしたり・・どんどんやったらいい。
 その中で自分のキャリアや経験を振り返り、「これだ!」と思ったら、最低10年やり続けてほしいです。続けることが信頼につながります。「自分が苦にならないことを探す」ことがポイントかもしれません。
 何かをすると次が見えてきます。自分で何か提案したなら、ぜひそれを実行してください!今のことを一生懸命やっていれば次が見えてきます。アドバイスをしてくれたり協力してくれたりする人が現れるはずです。
 もし「なんとなくもやもやしている」と感じていたら、ぜひ一度「のら」に遊びに来てみてください。「のら」に集う様々な方々とのふれあいが、もやもやを解消してくれると思います!

会社紹介

合同会社 のら(通称 ヘルシーカフェのら)

所在地
〒332-0017
埼玉県さいたま市南区鹿手袋7-3-2
社員数
2名(女性2名)ボランティアスタッフ多数
業種
サービス業
事業内容
飲食業
URL
http://healthy-cafe-nora.jimdo.com/

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