輝く女性起業家~ロールモデルのご紹介~

今回ご紹介するロールモデル

株式会社コマーム 代表取締役 小松さん
株式会社コマームは、子育て中の主婦3人で立ち上げた保育サービス等を提供する会社です。
 「埼玉県多様な働き方実践企業」でもある当社は、働きたい女性がそれぞれのライフステージに合わせて働ける環境を提供している会社でもあります。
 このように徹底して「多様な働き方」を支援している社長の小松さんに、なぜそういった働く環境を提供しているのかなど、ぜひ一度お話を聞いてみたいと思い、今回取材をお願いしました。

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小松さんの経歴を教えてください。

 働き始めた当初は、公立保育園で保育士をしていました。その時期に3人出産しましたが、自分は公立保育園で働いているにも関わらず、不規則勤務のため自分の子どもは公立の保育園に預けられないといった状況でした。家庭保育室や民間の認可外の保育所に預けるなどして乗り切っていましたが、義理の父親の介護も始まりました。
 母が近くに住んでいたので、子どもの送り迎えなどはかなり協力してくれましたが、水疱瘡などで子どもが連続して休むことが多く、母だけに頼るのも限界になりました。
 周囲からも「働き続けるなら子どもは1人にしておくべきだ」と普通に言われる時代で、保育園以外のサポートも「自分で探せ。探せないのは努力不足」といった感じのことを言われました。
 友人にお願いしたりしながら努力しましたが、何度もお願いが重なると申し訳ない気持ちになり、義理の父親の介護を機に仕事を辞めました。
 その後、もう1人子どもを産み、子育てをしながら、空いた時間などを使って大手出版社の非常勤として、「乳幼児サークル(親子で遊ぶサークル)」の立ち上げなどに関わりました。そのサークルで、せっかく保育士や幼稚園教諭という資格を持っているのに、私と同じような状況で仕事を辞めざるを得なくなってしまったたくさんの女性に出会いました。プロとして働き続けたかったけれど、フルタイムは無理で仕事を辞めざるを得なかった女性たちです。
 大手出版社の「成績評価重視」のスタイルにも違和感を感じ、せっかく仕事をするのであればもっとやりがいを重視する仕事ができないかと思うようにもなりました。
 こういった思いを抱えて、当時サークルで知り合った同じような想いを持つ仲間3人で、40歳の時に起業しました。
 おかげさまで、現在は、登録スタッフ300人を超えるまでになりました。

 

起業する上で大変だったことは何ですか?

 大変だったことは山ほどありました。まず起業のノウハウがない。当時埼玉県では、起業を目指す人のための講座などがなかったので、横浜女性フォーラムの女性起業家講座に通いました。
 それからお金もない。でも担保がないから銀行は融資してくれない。そこで、主人が持っていた会社の定款を変え、その会社の事業部の1つとして位置づけ、出産後の産後ケア時などの保育サービスを始めました。最初は、会社の一角に、パソコンと電話が引いてあるだけの事務所でした。
 営業活動については、女性起業家講座で、地元のマスコミにどんどん売り込んだ方がいいとアドバイスされ、「主婦3人で、子育て中でもプロとして保育の仕事ができる会社を作りました」という部分を全面に押し出して売り込みました。たくさんのマスコミに取り上げてもらったことで、次々と電話が!!
 ところが、かかってきたのはお客様からではなく、スタッフとして働きたいという人たちばかりでした。「私もこんなサービスがほしかった。私も働きたい・・・働きたいけど、子育てで時間の制約があって働けなかった。ぜひ一緒に働かせてほしい」という人たちです。
 ある意味予想は外れましたが、求人をせず、30人の登録スタッフを集めることができました。
 残る問題はお客さんでした。手作りでチラシを作って、母親学級や子育てサークルなどに配り歩きました。そういった取組でぽつぽつと依頼が入るようになりました。
 給料はといえば・・、1年目は一緒に起業した3人はゼロ、2年目は月に3万円という状況でした。3年くらいたち、ようやく月に7万円程度の給料になりました。

 

起業して、いろいろ悔しい思いなどもしたと思いますが、一番印象に残っていることは何ですか?

 同じ川口市に、ベビーや介護のグッズをレンタル・販売している(株)ホクソンベビーという会社があるのですが、無謀にもそこの社長さんにもチラシ配布のお願いに行った時のことが一番印象に残っています。
 社長は私たちの熱意をわかってくださり、同社で病院等に配布しているカタログと一緒に私たちの会社のチラシも一緒に配布してくれることになりました。ただ、そのときに、「今は起業したてだからマスコミなどにも紹介されている。それが実力だと思うな」とも言われました。チラシの配布も1回限りだぞと。
 確かにマスコミなどからも取材を受けて調子に乗っていたと思います。その言葉がなかったら勘違いしたままの状態でした。苦言を呈していただけたことは、本当にありがたかったです。
 また、「会社ごっこは楽しいか?」などとも言われ、悔しい思いもしました。確かに周りから見ると「主婦3人が会社ごっこをしている」ように見えたのだと思います。でも悔しさがバネになり、ここまで来ました。
 そのときに、想いだけではダメだ、ただ「起業」するだけでなくすばらしい「企業」になろうと決心して今に至っています。

 

今はいろいろなサービスを手がけていますが、どのようにして業務を拡大してきたのでしょうか。

 業務を一気に拡大しようというような気持ちは全くなく、社員の働きたいという希望や社会のニーズの変化に応じて、業務を拡大してきた感じです。
 最初は、お産後の産後ケアの時期の依頼が圧倒的に多かったのですが、夫婦フルタイムで働く方からの朝・夜のベビーシッターの依頼が多くなってきました。最初に登録してくれた登録スタッフは、昼の時間帯の数時間勤務を希望する方が多く、マッチングが難しくなってきました。そこで初めて求人募集し、スタッフの年齢増がぐっと広がりました。
 一方、登録スタッフが、週1回の勤務をこなすうちに自信がつき、もっと働きたいという希望が多くなってきました。そこで、週に数回固定の時間で働けるよう、歯科や病院のお客様の一時預かりの業務も始めました。登録スタッフが増えてきたので、指定管理者や企業内保育なども引き受けるようになりました。
 今は、少しずつでも継続的に会社を成長させていくには、女性だけでなく男性の視点「多様な考え方」が重要だと感じ、今は男性のフルタイムの社員を積極的に雇用しています。

 

起業時からの一貫した方針はありますか。

 まずは無理をしないこと。借金してまではやりません。
 それから、企業は人がすべて。人が育つには時間がかかり、人が育つまでは待とうという考えです。私にとって、スタッフはとても大切。社員のことを一番に考えています。そのため、スタッフ全員が自身のライフスタイルに応じてプロとして働ける環境を提供することを起業時からずっと続けています。

 

持続的に会社を成長していくコツのようなものはありますか。

 「保育園以外の保育サービスは絶対に必要」という信念で会社を運営してきましたが、想いをつらぬくためには、会社の成長に応じた仕組みが必要になってきます。
 例えば、会社が成長してスタッフの数も多くなり、私がすべてのスタッフの状況を把握することが難しくなってきたため、スタッフのモチベーション維持や評価する仕組みが必要になってきました。
 そこで、スタッフにやりがいを持って仕事をしていただきたいと、「スタッフからスタッフへのありがとうカード」や、「感動体験カード」、「気づき(イノベーション)カード」などを始めました。
 また、評価制度についての検討を始めました。人が人を評価するより、自分が目標値に向かってどれくらい頑張っているかという視点で評価できないかと考え、5つのコンピテンシー(力量)を定めてみました。結果だけを見るのではなく、そのプロセスが大切だという想いがあるからです。子どもにとっても同じで、「子どもの育ちと学びの物語」では、そのプロセスがとても大切です。プロセスを大切にすることによって、マインドが育つのです。大人も同じだと思います。
 このように、会社の成長に応じて、試行錯誤しながら仕組みを作っています。話はそれますが、今の日本は結果主義を重視したあまり、アメリカに追いついた時点でどうしようとなってしまい、思考が停止している感じがします。
 また、業績が思うように伸びないときは、しっかり課題を解決してから次に進むよう心がけています。

 

起業を目指す女性へのメッセージをお願いします!

 自分がやりたいというだけでは、たとえ起業しても会社を成長させることは厳しいのではないでしょうか。自分の思いを満足させるためであれば、ボランティアで十分です。社会に還元できて、初めて「会社」というのだと思います。
 自分の足下にビジネスは転がっています。ニーズに気がついたら、人・モノ・情報・カネの4方向から、きちんとプランを立てること。起業する際には、それがとても重要だと実感しています。

会社紹介

株式会社コマーム 

所在地
〒332-0017
埼玉県川口市栄町1-4-16
社員数
正・准社員52名 パート社員34名
派遣・登録スタッフ300名
(男性16名、女性358名*2013年8月7日現在)
業種
生活関連サービス業
事業内容
子育て支援事業
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