男性のロールモデルのご紹介

今回ご紹介するロールモデル

カルソニックカンセイ株式会社 グローバル組織活性化本部人材戦略企画グループ部長 小松さん
ダイバーシティやワークライフバランスに関する取組を積極的に進めているカルソニックカンセイ株式会社さん。その取組の中心メンバーのお一人が、今回取材させていただいた小松さんです。男性の育休取得者もいるという社内環境ですが、お仕事内容やダイバーシティに対する考え、そしてご自身はどのようにワークライフバランスを実践してきたのか、お話を伺いました。

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 ご自身のキャリア、家族構成を教えてください。

 これまで、ずっと主に人事関係の仕事をしています。国内の拠点(埼玉、栃木、神奈川、東京)と海外の拠点(アメリカ、フランス)で勤務してきました。
 家族は妻と高校生の娘と犬(メス)で、女性に囲まれて暮らしています。結婚した当時は女性が働き続けるということも少ない時代で、妻は寿退職で専業主婦になりました。海外勤務では、配偶者が就労はできないため、妻の専業主婦期間は長かったのですが、今は子育てもひと段落ついたので働いています。

 

お仕事の内容はどのようなものですか?

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  私が働いているカルソニックカンセイは、1938年創業の自動車部品メーカーで、皆さんが目にするものでは、内装やメーター、排気マフラー、見えないところではエアコンなどの空調、ラジエーターなどの熱交換機器、電子部品、コンプレッサーなど幅広く手掛けています。それらの技術を融合することで、高性能で快適・安全、環境に優しい自動車の進化に貢献しています。本社はこのさいたま市にあり、世界16カ国に50以上の拠点を展開しています。sec_img02
 私は、人事を担当しており、ダイバーシティの社内推進に力を入れています。社長の「なぜ役員は日本人・男性のみなのか?」という問題意識から、「性別のダイバーシティ に関する問題解決集中討議」が始まりました。その中で女性の活躍推進のために社員の意見を聞いていくと、大きな阻害要因の一つに「長時間労働」が挙げられました。例えば、会議が夜7時から始まると子育て中の女性は出席できず、「私たちは部外者?」と思ってしまっていたようです。そこで、会社全体で「ベターワーク・ベターライフ」を目指し、ダイバーシティだけでなくワークライフバランスも推進していくことになりました。男性にとっても共通のテーマとして、仕事の効率化を図り長時間労働をなくしていくよう取組みを昨年度から始めています。例えばラウンドテーブルミーティングという複数の部署の構成員から成るミーティングを行い、ワークライフバランス等に関するざっくばらんな意見を出してもらったり、社内報でイクメン座談会の記事を載せたりしています。
 水曜日のノー残業デーには定時退勤を促す放送を流すのですが、本社ではたまに社長が録音したテープを流したり、放送の後に社長自らが社内を巡回したりしています。
 また、商品開発におけるダイバーシティ活用の事例紹介として、株式会社龍角散で「おくすり飲めたね」をヒットさせた女性開発本部長に、社内での講演をお願いするなど、他社の取組も参考にさせていただいています。
 私は現在「育ボス(部下が育児休業を取得している管理職のこと)」です。当社では、管理職への昇進は適性を見て判断していますが、タイミングとしては30代半ばとなっています。女性はその年令で出産される方もいるので、その場合次のステップへ進むためのキャリアが少し中断してしまいますが、職場に戻ってきたら産休・育休のブランクをすぐに取り返し、時短でもしっかりと成果を上げることを期待していますし、私も含めてまわりでサポートしていきたいと思っています。

 

男性社員が多い状況のなか、ダイバーシティを進めるということに対してどう感じましたか。

 私自身は女性と一緒に働くことが多かったこともあり、女性の活躍という意味でのダイバーシティは当然と考えています。例えば、日本でも赴任したいずれの国でも、上司は女性という経験をしましたし、現地で働いている人も半分は女性という環境でした。
 男性は結論を先に述べ、女性は過程から先に述べる傾向があるといった男性と女性の考え方の違いを気にする時期もありましたが、日本人とは考え方が違う人たちと働く環境で「カルチャーダイバーシティ」の洗礼を受け、「良い・悪い」ではなく、「同じか・違うか」だけであるということを学びました。男性視点だけで作り上げた論理で押し通してしまうのではなく、女性の視点も生かした方が、組織の活性化に繋がると思います。

 

家庭内では家事育児をどの程度行っていらっしゃいますか?

 現在、妻が土日に働いていることが多いので、娘と2人分のお昼を作ったり3人分の夕飯を作ったりしています。料理が好きなので、楽しんでやっていますが、休みの日だけでも妻の立場にたったことで、その大変さを実感しています。
 家庭を持つ働く女性はWLB(ワークライフバランス)ではなく、WWB(ワークワークバランス)だと言われます。家に帰っても「家事」という仕事をしているので、ワークライフではなく、ワークワークなのだと。そのため、女性のワークの負担を減らすために男性の家事参画の必要性を感じています。
 お互い仕事を持つ身なので、私ができることはやろうと思っています。まだ妻には合格点をもらえないと思いますが(笑)
 娘は時々「お父さんはお母さんには優しいのに、私にはお母さんほど優しくしてくれない」と妻にこぼしているようです。(娘に対して、かなり甘い父親だと思っているのですが、妻に対する接し方の方が優しそうに見えるようです。)そのような中、先日娘の学校で、論語にある「子曰く、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ…」に沿って身近な人に、15歳のとき、30歳のとき、40歳のとき…のエピソードを聞いてくるという宿題が出ました。娘に私のエピソードを聞かれたのですが、父親である私が意外と娘のことを考えていることが分かり、改めて「私はお父さんの娘だ」と感じたようです。娘が幼い頃に、私の仕事の都合で、本人が望んでもいない海外生活をすることになったため、日本語で苦労しないように絵本などを読み聞かせをすることを自分の役割だと意識して行っていたことなど、40歳当時の私が感じていたこと、考えていたことを話すことができて良い機会になりました。
 こんなことを言っていると、妻と娘に「本当に外面がいいんだから」と言われてしまいそうですね(笑)

 

人事という立場での、仕事上の課題は何ですか?

 まず、当社は海外に数多くの拠点を持つ企業であるため、急速に進展するグローバル化に対応した人財を育成することが大きな課題です。また、社員の皆さんが持っている能力を100%発揮でき、更にそれを120%に伸ばせるような仕組みを作っていくことが、人事として常に追い続ける永遠のテーマだと思っています。特に、女性が活躍する際の障害や課題はまだまだあるため、制度、教育、意識改革など、環境を更に整えていきたいと考えています。

 

男性の後輩、小松さんと同じ管理職の立場の方、女性に対してメッセージをお願いします。

 まず、若い男性の皆さんへ。夫婦で同じ役割を分担することも大切ですが、家庭の中で必ず自分が担当する役割をしっかり持っていた方がいいですね。お母さんの代わりとしての役割ではなく、お父さんとしての役割のものがいいと思います。場面によって状況は変わってくると思いますが、よく奥さんと話し合ってみてください。
 次に、管理職の方へ。私たちが若かった頃から社会環境は大きく変わっており、一緒に働いている人たちの価値観や考え方、働き方も変わっていることをまず理解することが必要ではないでしょうか。そして、若いお父さん、お母さんたちが、今大切だと考えていること、悩んでいることを理解してあげてほしいと思います。私も時には、15年前の娘が生まれた頃に立ち返って、自分はどうしたかったか、何ができなかったかを思い出して、こうすれば良かったということをサポートしていくようにしたいと自戒の意味も込めて思っています。
 最後に、女性の皆さんへ。女性をとりまく環境はかなり恵まれた環境になってきています。多くの企業では、男性女性の区別なくキャリアアップする機会は与えられると思うので、チャレンジする勇気を持って、実績を積んで頑張っていってほしいと思います。
 女性の場合は出産という大きなライフイベントがあり、常に100%男性と同じ条件で働くことが難しい現実はありますが、それをハンデとして捉えるのではなく、むしろその経験を通じて得た視点や価値観、仕事のやり方を武器に、会社をどんどん変えて行って欲しいですね。

会社紹介

カルソニックカンセイ株式会社

所在地
〒331-8501 埼玉県さいたま市北区日進町二丁目1917番地
社員数
3,615名(男性3,344名、女性271名)2013年3月31日現在
業種
輸送用機械器具製造業
事業内容
自動車部品の製造販売
URL
http://www.calsonickansei.co.jp/

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